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「どうしてっ、理穂がそれを? もしかして何かされたのか?」
巧の慌て振りを見るとやっぱり犯人で間違いなさそうだ。
私も覚悟を決め、これまでのことを巧に打ち明けた。
ここのところ毎日髪の毛が絡みついていること。それにどうやって侵入しているのか分からないこと。
巧が女を招き入れたとばかり思い込んでいたことも合わせて謝った。
「もしかして今日もなのか?」
今日は巧が先に帰宅してた。
だから掃除が終わっていない。
二人でおそるおそる確かめに向かう。
浴室の換気扇の音と二人の潜めた息遣いがやけにうるさく聞こえる。巧も緊張していることがよく分かった。
「俺が見るよ。」
巧は一度も髪の毛を目にしたことがない。
だから自分の目で確かめたいのだと譲らない。
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