再会、シマシタ

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人懐っこい笑みを見せたのは隣の席に座る一つ後輩の松田くんだった。 少し長めのくせっ毛に赤の差し色がお洒落な黒い樹脂フレームのメガネをかけている、弟タイプの可愛らしい男の子だ。 そんな屈託のない笑みに少しだけほっとして、息が溢れる。 「おはよ」 「あ、珍しい。いいですねーココア」 デスクに置いたそれを見て『そろそろ美味しい時季ですもんね』なんて笑う彼も、そういえば引き出しに隠したチョコをよく食べている。 世の中の可愛い系男子は甘党が多いのだろうか。 ……まぁでも確かに甘いものは笑顔に効くんかも。 どことなく共通する二人にそんなことを考えながら松田くんを眺めて、にっこりと笑みを返す。 「あげないよ? 貰いものだから」 「いいですよー俺も買ってきます」 パソコンが起動するのを待っていたのか、どこか手持ち無沙汰な様子だった彼はそう言ってすっくと立ちあがった。 けれど、そんな松田くんの笑みの向こうに部屋に入ろうとする佐伯さんの姿が見えて。 急に、胸にずしんとなにかが落ちた。 「私も行く」
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