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聡と出会ったのもうちの会社だった。
同じ課の、三つ年上の気さくな先輩だった。
それなりに仕事もできて気が利いて、優しくそこそこ顔もいい。
いいな、と思うのにそれほど時間はかからなかった。
積極的にアプローチして仲良くなって。
向こうから付き合ってほしいと言われたときは本当に嬉しかったのを覚えてる。
それからもうすぐ五年。
結婚しようかと言われたのは今年の初夏だった。
一年後くらいに式が挙げられたらいいねって。
互いに仕事をしながらの準備は大変だろうと、期間に余裕をもたせたのは二人の合意だった。
それから三ヶ月。まったくケンカがないわけではなかったけれどそんなのは当然で、私としてはそれなりにうまくやってると思ってた。
……思ってた、のは私だけだったのだろうか。
よりによって彼が浮気相手に選んだのはまたも同じ会社の人間で、あろうことか私たち二人の同僚でもある佐伯未帆(さえきみほ)だった。
自分で言うのもなんだけど私だって見た目はそんなに悪くない。
加えて物事はテキパキ片付けるタイプ。
仕事も効率よくこなすし、同僚や上司からの評判だって悪くないと思ってる。
彼女は、そんな私とはまた違うタイプの人間だった。
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