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こうして直接話してみても、彼のお母さんは第一印象そのままのオバサマだった。
昔ながらの、近所に一人はいそうな気さくな女性。
そんな彼女に引っぱられるようにして会話は進んだ。
目の前でテンポよく繰り広げられる会話は流石親子といったところで。なにを話せばいいのかと悩まなくていい分、気は楽だった。
「昔からよく虫とかカエルとか猫とか拾ってくる子ぉやったから本気で心配したわ」
「あほか。んな簡単に人間拾ってたまるかい」
虫とかカエル……。
なんとなく一緒に並んだところを思い浮かべて思わず頬がひきつる。
が、まぁ考えようによっては優しい人だととれないこともない。
……もしかしたら捨て猫かなにかとおんなじように見えたんかも。
むぐむぐとお好み焼きを咀嚼しながらあの日の自分を思い出した私は、これまた浮かんだ複雑な感情に一人苦笑いした。
それは、そんな感じでお店に入ってから一時間が過ぎようとした頃だった。
「あ、私電車の時間があるからそろそろ帰るわ」
追加でどて焼きを注文した筈のお母さんがにこやこに立ち上がる。
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