第1章

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京都の中心にある町に古井戸があった。 今は使われていなくて、ふたを閉められているが。 その井戸も、昔は、人々の命を繋ぐ大切な水を供給するところとして、大切に扱われていた。 町の人々も静さんの井戸と親しみを込めて名前で呼びいつも感謝していた。 井戸の水は澄んでとても綺麗な美味しい水だった。 しかし、時と共に、水道の普及により井戸水が使われなくなり、子供が入ると危ないので蓋をしめてそのまま、放置されるようになっていった。 やがて、井戸のまわりに家が立ち並び始めて、京都も、他府県からの移住者が増え、昔の井戸を知る人も少なくなってきた。 静さんの井戸のある土地は、東京から来た若夫婦によって購入されていた。 若夫婦は、この井戸が邪魔になったので、埋め立てる事にしました。 業者の人に、依頼するご主人の卓也さんは、迷信など気にしない人だった。 妻の芽衣子さんも全く気にしない人だった。
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