第1章

4/8
前へ
/8ページ
次へ
そして、新しくできた家に卓也夫妻と3人の子供達が引越ししてきた。 家はとても綺麗で広かった。 卓也の仕事の給料はとても良いのだ。 そのおかげでこのような大きな邸宅に住むことが出来た。 庭も植木が植えられて美しい日本庭園に仕立てられていた。 しかし、一部分暗いイメージの所があった。 そこは、井戸のあった場所だった。 何だかうす気味悪いと感じるのは子供達だけだった。 「お母さんあそこ何だか暗いね。」とさよりが言う。 一馬も「なんか変な感じがするよ。」 一夫も「僕も嫌な感じがするな。」 と言うと庭を指さしていた。 母の芽衣子は、「何言ってんのよ。何にもないわよ。気にしないの。」と答える。だが、少し気になる。 そこは井戸のあった場所だからだ。 森下家の子供は長男和夫、次男一馬、長女のさよりの3人だ。 三人とも、仲の良い兄弟で健康的な体をしていた。 しかし、東京から、京都へ引越しして来てからというもの、顔の表情が暗くなり目の下にいつもクマを作る様になっていた。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加