終わりを決めるのは僕じゃない

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「それじゃあ、またね」 「また」  夏美は車に乗ると、窓を開けて手を振った。学と雄大も手を振り、車が走り出しても見えなくなるまで振り続けた。 「行っちゃったな」 「うん。僕らも帰らないと」 「そうだな」  二人は帰り支度をすると、祖母に挨拶をした。また冬に来るからと、約束をして。祖父に駅まで送って貰うと、自転車を下ろした。 「じゃあな、爺ちゃん。またな」 「おう。二人とも元気でな」 「お世話になりました」 「また、いつでも来なさい」  二人は手を振ると、自転車と一緒に電車に乗った。疲れたのか眠っている雄大に、肩を貸しながら学は窓の外を眺めた。
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