第1章

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小一時間掘り、清田の指も限界を迎えた時、 ガラガラ…ガラ…… 音を立てて壁が崩れた。 「やった……」 震える指で携帯のライトを点け、土壁の中に向ける。 「う、うぁっ!」 現れたのは、 「み、ミイラ……」 水分を奪われた、カラカラに乾いた屍体。 水なんてどこにも無い。 恐怖が水の餓えを勝る。 襲い掛かる恐怖から必死に逃げ、最後の力を振り絞って玄関へ。 ノブに両手で掴り、立ち上がろうとすると、 ガチャ…… 扉が開いた。
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