第1章

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「んー、それ全部本当ですか?」 刑事はペンで頭を掻きながら、清田の話の信憑性を訝しんでいる。 「本当に決まってるじゃないですか!」 清田は叫んだ。 あんな辛い思いをしたのに、疑いまで掛けるなんてと。 「ですが、水が出ない、扉が開かない、窓が壁に…… 中々信じられる話では……」 冷静に考えるとある訳ない話。 「でも、本当に……」 悔しさと、あの時の事を振り返って清田は泣きそうな表情を浮かべる。 それを見て刑事は、 「まぁ、あのミイラを調べれば色々解ると思いますから」 下手な慰めの言葉を掛け、 「それまで、あのホテルで待機していて下さい」 帰宅を促した。
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