第1章

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清田は目が覚めた。 目覚まし時計の蛍光の針は、七時半を指している。 「午前なのか午後なのかも判らねぇな」 真っ暗な現実を嘆いた。 玄関と窓を確認したが、昨日と状況は変わっていない。 悲惨な状況にも関わらず、 「こんな時でも出るんだな」 苦笑いしながら、手探りでトイレへ行って用を足す。 当然、水は流れない。 唯一寝転がれる居間へと戻って、横になって考えを巡らしていると、 グゥ~ お腹が鳴る。 「腹も減るんだな」 生理現象だけは、どんな状況でもやって来る事を再認識する。 冷蔵庫の中にはツナ缶が一つ。 清田はそれを貪り食った。
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