第1章

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水道の蛇口を捻るが、水滴すら落ちない。 トイレの水まで飲もうと試みるが、 「お、おぇーーっ」 強烈な異臭が受け付けさせない。 這いつくばって居間に戻って横になる。 「はぁ…はぁ……」 呼吸をする事さえ辛くなっていた。 「はぁ……はぁ……」 呼吸音に混じって、 ピチョン……ピチョン…… 「み…み……水……」 水滴の音。 「ど、どこから……」 耳を床に付けて位置を探る。 ピチョン……ピチョン…… 「こっちか……」 這って水滴の音の方へと近付く。 ピチョン…ピチョン… 「こっち……」 ピチョン、ピチョン 「ここだ……」 辿り着いたのは土壁。
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