第1章

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その日は5日ぶりの雨だった、広大に広がる様々な作物は今まで不足していた水分を補給し見る見るうちに枯れかけた作物の茎や幹は潤っていく そんな潤っていく作物を見ていた人物は顔は喜びつつも内心は複雑だった、枯れかけたのは、この広大な農地は人の手から見捨てられている、雨が降らなければ枯れていき、風邪に吹かれれば折れていき、人に知られぬ内に消え去って無くなっていく、別の場所では食べる物が無く飢えていく者がいる 飢える者がいるのに、何故捨てられる食料があるのか 別に実った事に感謝しなくてもいい、自分の存在が薄明になっても構わない でも、自分の存在意義でありこの作物の存在意義でもある事を失ってほしくはない 説得するのは難しい、信仰で成り立った存在がするような行動ではない 傷つけてしまうだろう・・・でも、さっき言った言葉で覚悟は決めた 作物が存在意義を失わない為なら  自分の存在が消えても構わないのだから
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