第1章

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呆れるほど平和[ギュルル~~]だと、思う世界 「お腹空いた~~、お米が食べたい~」 人里離れた場所に建っている歴史ある神社 博霊神社・・・からは、昨日の昼あたりから腹の虫が騒いでいる 「何が、今年は異常な不作よ 少しは私の財布の事情も考えなさいよ~」 その腹の虫の元凶であり、さっきから間延びした腑抜けた声で愚痴る赤い服の少女こそ、この博霊神社の主であり巫女 名は博麗 霊夢 人里を離れているだけあって賽銭客の少ない神社を切り盛りするあたりは凄い人物である・・・もっとも、今の空腹にダラケた姿には威厳も無いが 「お~い、霊夢 遊びに来てやったぞ」 そんな巫女の気分を汲まないように空きっ腹に響く声で親友が遊びに来た 気分の悪いときに手を出されると気分が良くなる時など、殆ど無い 寧ろ余計に気分が悪くなる、霊夢にも例外ではなく、即座に縁側の襖を閉められた 「おいおい、せっかく友人が苦労して食料取って来てやったんだぞ」 その言葉に襖が少しだけ開く、その親友の手に掲げられた色々な野菜や果物を見るなり閉めた襖が開いた それを歓迎の合図と見て親友は縁側に腰掛けて桃を投げ渡す 「ふぅ、生き返ったわ」 「おいおい礼は無いのかよ」
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