アラブ首長国連邦 ドバイ バージカリファ

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ん?なんだか最後に言わなかった? 「常識的なことって?」 「あちらで殺人を犯さないとか」 「それは大丈夫でしょ」 「あと、まあ逆にね。その辺も注意してください」 狼歩さんが赤い顔をした。なに?なんか口にするのを躊躇うようなこと? 「逆にってどういうこと?」 「ええと。あの。殺人の逆です」 「えっと?わからないけど」 「あの。まあそういうことはないと思いますが、えっと」 あっ。そういうことね。誰かを好きになってしまうということかしら。 「わかったわ」 私は、大丈夫というように笑顔を作って見せた。 良かった。両親と話をしてはいけないというような規制はないのね。 そう。これは夢の話なんですものね。私は今更ながら思い出した。そうよ。なんでもありだったのよね。私はちょっと安心した。 「では目を閉じてください」 「はい」
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