86人が本棚に入れています
本棚に追加
狼歩さんを見たら、彼はゆっくりと頷いた。
そうなの!この人は私の母なんだわ。
でもなんなの?若すぎる。皺もシミも全然ないじゃない。髪だって真っ黒だし。
ふーん。私の母親にもこんな時代があったのね。当たり前なんだけど。
「真一さんは?」
狼歩さんが優香さんに問いかけるのを聞いて、私は腰が抜けそうなくらい驚いた。
だって、だって。それは父の名前だったからなのよ!
「どうしたのかな。いっつもあの人、遅れるのよね」
優香さんは背伸びをして遠くを見た。でも待ち人は来ていないみたい。
「ねえ、これってどういうこと?」
私は狼歩さんの袖を引っ張って小声で尋ねた。状況説明をしておいて欲しい。
最初のコメントを投稿しよう!