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「え?ふうかさん、お父さんとお母さんの若い頃に会いたかったんでしょ?」
「そりゃそうだけど、なんで突然なの?」
狼歩さんはふっと笑って、優香さん、そして私を指さした。そしてあらぬ方向へと手を挙げた。
「優香さんとふうかさんが同学年で、僕たちはその1学年下。
優香さんと真一さんが付き合っていて、僕たちは恋人同士。全員大学生です。
こんなところでいいですか?」
狼歩さんが手を挙げた駅の方から、男の人が急ぐでもなく悠然と歩いてくる。あれが真一さん?私の父なの?
「ねえここはどこなの?」
狼歩さんが振り向いた先には、小さくて可愛らしい、そして今と変わらない原宿の駅舎が見えた。
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