日本 東京・原宿 1970年

12/14
前へ
/205ページ
次へ
でも私はだれかに頼りたい。守られたいの。それが間違いなのかな。 娘のためにパパに立ち向かっていく勇気を私は持てるのかな。 さっき優香さんが言ったみたいに、「優しくする努力をして」って言えるかな。 つい、と狼歩さんが私の横に並んだ。 優香さんと真一さんは、また店を覗いてあれこれと品定めをしているみたい。 「ふうかさんのお母さんは今は幸せなんですか?」 「ええ。そうね。父は少し体調を崩しているけれど、仲はいいと思うわ」 「それはお互い我慢をしていないから?」 はっとした。私の両親は自然体なのね。ちっとも無理をしていない。 それは若い時から無理をして相手に合わせようとしてこなかったからかな。 「ふうかさん、旦那さんはこれから変われると思います?」 狼歩さんは究極の質問をした。
/205ページ

最初のコメントを投稿しよう!

86人が本棚に入れています
本棚に追加