日本 東京・原宿 1970年

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「どうかしら。パパは変わらないような気がする。 変わろうとする努力もしてくれないような気がする。 でもね。私はここでパパを捨ててはいけないと思っているの。 パパは一人では生きていけない。私が付いていなければだめなの」 私は一気に言うと、くすっと狼歩さんが笑った。え?なにかおかしかった? 「あ、ごめんなさい」 なに?人が一生懸命話しているのに、失礼な人ね。 「ねえふうかさん。ずっとずっとこの夢のデートが続いたらいいと思いませんか?」 狼歩さんは笑顔を目元に張り付けたまま、私に尋ねた。 私は黙り込んでしまった。だってこれは夢でしょう?夢はいつか覚めるものよね。 ずっとこんなふうに、ふわふわ生きていくことができる?
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