ふうかの家

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「さあ。これで納得しましたか?」 私は自分の身体を見下ろした。 えー?何これ。今まで熊の模様のパジャマを着ていたのに。あら!この前テレビで見た上海灘(しゃんはいたん)というブティックだったかしら。そこのピンクの柔らかいワンピースを着ている。 邪魔にならないスタンドカラーに、身体に沿ったデザイン。でも窮屈じゃないわ。チャイナドレスのようにスカートのサイドにはいやらしくないくらいの微妙なスリットが開いているじゃない。 どうしてこんなことが起こるの? 「さあ、あの鏡の前へ行ってみて」 「いやだわ。こんなおばさんがピンクのチャイナワンピースなんて」 「ふうかさんはおばさんじゃないですよ。とっても素敵ですから。さあ」 私は言われるまま、恐る恐る姿見のところへ歩いて行った。 なんなの。これが私?びっくり。だって鏡の中の私はおばさんじゃあなかったんですもの!20年も前の私?目の前にいるこの青年と並んだっておかしくない。 そうだ、きっとこれは夢なんだわ。夢の中なら私は若くなっても不思議はないものね。
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