沖縄県 本部町 水族館

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「あそこを見てください」 狼歩さんが指さした先には、海に浮かぶ島が見えた。 不思議な形。ハロウィンの時の魔女のとんがり帽子みたいな島ね。 「面白い形の島」 「あそこはね。伊江島(いえじま)と言います」 「船で渡るの?」 「ええ。フェリーもありますけど。あそこの名産にソーダがあるんですよ」 「ソーダ?ソーダ水のこと?」 「ええ。伊江島のソーダなんで、イエソーダといいます」 狼歩さんは自分で言っておいてくすくすと笑った。え?なにが面白いの? 「ふうかさん、面白くないですか?」 「なぜ?イエソーダって伊江島のソーダだからでしょ?」 「あはは。このソーダを飲むと、いつもは言えないことも言えるんだそうです」 「え?どういうこと?そういう成分が入っているの?自白剤みたいな?」
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