ふうかの家

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腕につかまれってこと?いやん、恥ずかしい。私はそんな風にして男の人と歩いたことはないし。 躊躇っていたら、狼歩さんはちょっと笑って腕を引っ込めた。 「ごめんなさい」 「いいんですよ。ふうかさんがその気になったら、いつでもここは空けてありますからね」 夢なんだもん、もっと大胆になってもいいのに、私ったらなんて勇気がないのかしら。 「どこへ行くの?」 「そうですね。まずはドライブでも」 玄関にはピンクの、ワンピースと同じ色のヒールが用意してあったの。 ストラップには花の飾りがついている。 私がパンプスに足を入れたら、狼歩さんは屈んでストラップを留めてくれようとした。私はあわてて足を引っ込めようとした。 「そんなことしないでください」
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