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私は辺りを見回して、窓ガラスに自分の姿を映してみた。
そこには、なんと現実の私が映っていた。
このデートを始める時に家の鏡の中に見た、二十年も前の、若い私でなくなっている!
すっかりおばさんだわ。
その時、狼歩さんが私を後ろから抱きしめた。
「いいですか、ふうかさん。人間は見た目ではないんですよ」
私の耳元で狼歩さんが囁く。やめて。私はあなたに相応しくないわ。
「離して」
でも私は魔法にかかっている。狼歩さんの腕の中から出られない。
「僕にはふうかさんの心が見えるんですよ」
え?どういうこと?
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