ふうかの家

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私はずっと意識をなくしていたんでしょう? それをなんの手当もしないでベッドに寝かせておいてひどくない? そんな考えが頭に浮かんだ。 そう、私は変わると決めたんですもの。言わなくちゃ。 「パパ。今日は早く帰ってきて」 ちょっと声が震えたけれど、言った。 パパは私をちらっと見たけれど何も言わずに仕事用のバッグを持つと、私に目もくれないで出て行こうとした。 「話したいことがあるの」 パパはわざと大きな音がするようにドアを閉めて出て行った。 何なの、その態度は。三日間私は意識がなかったのよ。それなのに全然心配しないなんて! ひどい、ひど過ぎる! 私、怒っていいわよね。 「ねえ、ちょっと!」 でもパパは玄関から出て行った後だった。
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