ふうかの家

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それから私は無心で流しに積まれている食器を洗い、テーブルの上をきれいにし、ごみをまとめた。 窓を開け放ち掃除機をかけ、ついでに床をモップで拭いた。 きれいになったかな。 身体を動かしているうちに、私の頭も働いてきた。 そう、ここは私のお城なんだから、いつもピカピカに磨き上げておかなくちゃ。 一時間ほどかけて、私はやっと満足いくだけの仕事を終えた。 あ、娘は? そうだった。今日は合宿休みだって言っていたわね。ずっと私についていてくれたんだもの、疲れているでしょうね。今は寝かせておこう。 私は丁寧に手を洗うと、とっておきの紅茶の茶葉を出した。 お湯もポットからじゃなくて……。あ。ポットはどうなっているのかしら。  
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