ふうかの家

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「いいえ。あの。私、恥ずかしいんですけど、ずっと意識がないまま眠り続けていたみたいで」 「えっ? じゃあ山内さん、病院に行ってないの? ご主人は、病院に連れて行ってくれなかったの?」 「え、ええ。まあ。でも、そうたいしたことないと主人が思ったんだと思います」 主人ですって。こういう時、なんていえばいいの?旦那が、じゃ変よね。 「それはおかしいよ。山内さん、どこか病院で診てもらった方がいいと思うけど。 どこか具合が悪いから倒れたんでしょう?風邪じゃないかもしれない」 「はい。行きます」 院長が私を心配してくれている。すごくうれしい気分になった。 「それでね」 でも続いて、院長はちょっと歯切れ悪く言った。
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