ふうかの家

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「どうぞ召し上がれ」 コーヒーは素晴らしく美味しかった。 確かにマンデリンなんだけれど、いつも私が買う安いものじゃない。すごく香りも味も良かった。 「ねえ、まだ夢は続いてるの?」 そうよね。これは夢なんでしょう? あら? どこからが夢なの? 私が三日間眠り続けていたというもの夢? パパが電話で院長に私をやめさせると言ったのも夢なの? あっと思って私は自分の服を見た。でも、私が着ているのは、いつもの熊模様のパジャマだった。 「いいえ。もうふうかさんは夢から覚めていい頃です」 「どういうこと?」 「これは現実。そしてふうかさんは決心をしなければならない時にきたんですよ」 「ちょっと待って。どういうことかわからないわ」
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