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「この薬を使わなかったら? 狼歩さんに返すの?」
「心配しなくても大丈夫ですよ。ふうかさんが一生使わずにいたら、ずっと先にふうかさんが亡くなる時に、その薬はあなたと一緒に消滅しますから」
なんだか、本当に不思議。
緑色のガラス瓶は小さくて、私の手の中に納まってしまった。
そんな不思議な薬があるの?
でも狼歩さんの口から聞くと、そんなこともあるように思えてしまう。
本当に、この人は天使のように思えてきたわ。
「あなたの夢を阻む人が現れたら、その薬がきっとあなたの役に立ちますから」
「そうなの?」
「辛い時は、その瓶を手にして深呼吸して」
狼歩さんは最上の笑顔を私に向けた。
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