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日本 京都
「あらまあ、外人はんなんに、あんじょう正座をしはりますな。どないぞ召し上がれ」
はあ、と狼歩は頭を下げる。他の二人はともかく、少なくとも狼歩は日本人の容姿である。
落ち着いた紫色の簡素な着物を着た女性は、抹茶と和菓子を三セット運んで来ると、三人の前に置いた。
「ごゆっくりえ」
茶室を模した、畳敷き個室の甘味喫茶店。
襖が閉められると、三人は膝を崩した。
開け放たれた窓からは築山が見える。
小ぶりながら庭には石が絶妙な位置に置かれ、落ち着いたいかにもというような京都の風景を見せていた。
手前にあるのは紅葉、赤く色づいた葉はちょうど見ごろな秋の盛りである。
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