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「なにこれ、罰ゲーム?」
「こういうもんなんだってば。さあ、レグバも」
「私は以前、この抹茶というものを喫したことがある」
レグバは、まず添えられた干菓子を口にし、そして優雅に茶碗を回すと、絵柄の正面を避け、抹茶を口元に運んだ。
「どう? どう?」
自分が苦い思いをしたので、カレフールはレグバの表情を読み取ろうとする。
「美味であるが」
澄まして答えるレグバに向かって、「うそだーい」とカレフールは掴みかかり、その脇腹をくすぐった。
「ぶほっ」
それまで味覚を封印していたレグバは、くすぐられたことによってその意識を解放させられ、抹茶の苦さを痛感した。
「こらこら、カレフールもレグバも。
君たちが日本の伝統茶を飲みたいと言ったから連れて来たんじゃないか。
この苦さがお茶の。ぶほっ」
狼歩も抹茶のあまりの苦さに、口にしたものを吹き出してしまった。
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