日本 京都

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「フランスの政治家、タレーラン・ペリゴールは、良いコーヒーとは、悪魔のように黒く、地獄のように熱く、天……えっと。のように純粋で、愛のように甘い。と言っていたと思うけど」 狼歩は天使ということばを淀ませた。だが意味は通じる。この三人にとって天使と言う言葉は禁句なのだ。 「トルコの諺だと思うが」 「いや、ペリゴールの言葉だよ」 レグバと狼歩の間に火花が散った。どちらも引かない。 「じゃあじゃあちょっと待って。僕が調べるから」 カレフールは胸ポケットからスマホを取り出すと、器用に検索を始めた。 「ふうん。どっちも出ているよ。二人とも正解っ!」 レグバも狼歩も、ほっと肩の力を抜いた。
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