香港 ヴィクトリア・ピーク

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香港 ヴィクトリア・ピーク

えっ?ここはどこ?この光はなあに?私は驚きのあまり目を見開いた。 どこなの?今までうちの前にいたのに。たった十秒数える間に私はどこへ来たの? 「ここはどこなの?」 「ヴィクトリアピークです」 名前を言われてもわからない。それはどこなのかしら。日本じゃないの? 「綺麗でしょう?香港の、百万ドルの夜景と言われている場所です」 あ、聞いたことがあるわ。でもすごい。この夜景。宝石箱みたいなキラキラにため息をついたわ。素敵。 私は、光の渦に巻き込まれていく、という歌詞を思い出した。 「車を降りますか?」 「ええ」 狼歩さんは車を降りると前を回って、助手席のドアを開けてくれた。 「どうぞ」 ドアを開けたら、むっとした外気に触れた。なにかしら。緑の濃い匂い。亜熱帯特有の、少し甘い匂いがした。
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