香港 ヴィクトリア・ピーク

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「うわあきれい」 そこから見える夜景は本当に宝石箱をひっくり返したよう。メレダイヤを散りばめたようだわ。 私は視界全部を目に焼き付けようと、左から右へと眺めていった。 右に顔を向けたら狼歩さんの肩があって、こんなに近くにいたなんて、と思ってドキドキした。私ね。密かに狼歩さんのグリーン系の香りを吸い込んだの。 「少し前までこの街のど真ん中に空港があったんですよ。その頃は飛行機の離着陸の妨げになると、ネオンは瞬いてはいけないという航空法がありました。でもね」 狼歩さんが指さす先には、ネオンがキラキラと点滅していた。 「今は空港が郊外の島へと移転しましたから、ネオンの点滅は自由です」 「そうなの。きれいだわ」
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