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ため息がでるような素敵な馬車を降りて、私たちはかわいらしい店に入った。
席についている人たちは全員オムレツを食べているわ。名物なのね。
またしても狼歩さんは流ちょうなフランス語で注文してくれた。
「Je voudrais deux omelettes.」
なんと言ったか分からなかったけれど、言葉の最後にオムレツと聞こえたわ。
「ねえ、サイズを選べるの？」
「いいえ。一種類だけのようですよ」
周りの人の食べているオムレツは大きすぎるような気がする。だって小さめのサッカーボールくらいはあるのよ。
「食べきれるかしら」
「ふうかさんらしくないですね。大丈夫。見かけは大きいですが、スフレのように軽いですから」
わあ。楽しみになったきたわ。あら。でも狼歩さんったら、さりげなく失礼なことを言わなかった？
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