フランス パリ エッフェル塔

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「やめて。私ね、院長先生には若くてかわいい素敵な人と幸せになってほしいと思っているのよ」 「本当にそう思ってる?」 狼歩さんは意地悪く聞いた。ほんとに意地悪。 「本当よ」 ちょっと声が震えた。きっと院長先生は誰にも優しいの。私がその優しさに甘えているだけなのよ。ちょっと夢を見ているだけ。 本当に院長先生が私のものになるとは、これっぽっちも思っていないわ。 「じゃあ、院長先生のことはただの憧れで、なんとも思っていないんですか?」 またまた意地悪な狼歩さん。 「好きだって、なんともならないんだからしょうがないじゃない」 「じゃあ、好きになるのをやめたら?」 ひどいひどい。どうしてそんなことを言うの?狼歩さんは私のことをわかってくれていたんじゃないの? 「そ、それは、できないわ」
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