ふうか、夢のデート

フランス パリ エッフェル塔

「どうして？」

どうしてって。どうしてって。

「たまたま院長先生だったんじゃないですか？」

えっ？どういうこと？

「ふうかさんは旦那さんとの生活に疑問を持っているんでしょ？もっと楽しく生きていたいって常に思っているんでしょ？」

たまたま院長先生だったんじゃないかという狼歩さんの言葉に、私は胸を突かれた思いがしたわ。

そうかもしれない。パパが私を大事にしてくれていたら、私は院長先生にときめいたりしなかったかもしれない。

まさに言い当てられて、私は眼を押さえた。涙が出て止まらなくなった。どうしよう。