ふうか、夢のデート

イタリア ローマ スペイン広場

「ふうかさん。ジェラートはお好きですか？」

私は顔を上げた。あら？今まで私の目の前にあったのはエッフェル塔だったのに。

私はどこにいるの？今度はどこ？

目の前には石の階段があるわ。振り返ると噴水がある。

それになに？私知らない間にフレアスカートを穿いているじゃないの。

靴は赤いバレエシューズ。ブラウスは白。髪に手をやると、いつの間にか短く編みこみになっている。

「ジェラート。好きでしょ？」

狼歩さんは私をジェラート屋さんに連れて来たの？

「今はね。スペイン広場の大階段でジェラートを食べるのは禁止されているんですよ」

「あっ！『ローマの休日』ね？」

「正解です。ふうかさん、何の味がいいですか？」

「えーと。アン王女は何を頼んだのかしら」