イタリア ローマ スペイン広場

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「はいどうぞ」 ほどなくして作られたジェラートが手渡された。 日本のもののようにきれいに盛られていないの。でもそこがイタリアの適当っぽい感じで美味しそうね。 「何を注文したの?」 「僕にはミルクを。こちらのお嬢さんにはクレマ・アラ・バニーリアを、と注文しました」 「あら。お嬢さんだなんて」 「ふうかさんはお嬢さんでしょ」 こんなアン王女の真似をしているのが恥ずかしい。そのうえお嬢さんだなんて。 「大丈夫。ふうかさんはかわいいです」 また。また言われちゃった。 「クレマ・アラ・バニーリアというのは、卵黄とチョコレート、そしてバニラのジェラートです。ここでは人気があるんですよ」 「アン王女も召し上がったの?」 「まあ有力候補です」 「え?どういうこと?」
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