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目眩
ドアを閉めてロックをすると今更ながら緊張しだした、だって車中でだなんて初めてだからだ。
促されるまま下だけを脱ぎ一樹の膝の上に対面で跨がった、自分だけ剥き出しな太股に丈の長い服を着てきて良かったと思った。
そしてキスをしながら内腿を撫で上がってくる手に身体が強張るのを感じながらも、大丈夫、大した事じゃない、上手く演れると自分に言い聞かせた。
「栞ちゃんってさ…本当に16?」
「…え?今更?」
このタイミングでそれを訊くのかと失笑すると、何だか場慣れしているから自分は騙されているんじゃないかと一樹は言ってきた、どっちがだ。
緊張に震える手を見せてやりたいが薄暗い車内では見えやしないだろう、だから手っ取り早く一樹の手を取り胸にあてがった。
「ほら、笑っちゃうくらい心臓バクバクいってる」
「ホントだ、緊張してる?」
そりゃまさかこんな展開になるとは思ってもみなかったし、車中で事に及ぶのは初めてだからと告白すると、一樹は嬉しそうな笑みを浮かべた。
「でもSEX自体は初めてじゃないんだよね?自然消滅した彼が初めての人?」
そうゆう事は知りたくないものじゃないのか?そう思いつつも頷くと今度は、彼ってどんな奴?との質問が飛んで来た。
これにはさすがに顔を曇らせた。
「それ知りたい?」
「気になる、栞ちゃんに非があるとは思えないから」
アタシは小さく溜め息を吐いてから彼の事を少し話した、年上のハーフである事と何を考えているのか解らないと言われた事、多分それが自然消滅の理由だろうと。
すると一樹はアタシを胸に抱き寄せ、無理に聞き出して悪かったと謝った。
だから逆に少し胸が痛んだ、彼の素性を明かしたのは少なからず訊いた事を後悔させてやろうという思いがあったからだ。
それに何より根本のトラウマの事とか、まだ話していない事もある。
続く沈黙に、今日はこのまま何もせずに終いかなと思っていたら一樹が口を開いた。
「ハーフか………ち○こデカかった?」
まさかの発言にアタシはまたしても失笑した、こうなったらもう何でもお答えしますよという気分だ。
「彼が初めてだから比べようがないんだけど?」
すると一樹は徐にアタシの手を取り自分の股間にあてがった。
「実は俺も自信あるんだよね、どっちがデカい?」
そうきたか、だから負けじと何食わぬ顔で、服の上からでは判らないと言ってやった。
「ふーん…じゃあ、直接確かめてよ」
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