第1章

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彼の家から電車で約30分、私は一度家に帰ってからまたすぐに外へ出た。 バイト先へと向かう。 最寄りの駅のコンビニで、私は週のほんとんど毎日働いている。 大学生なんてそんなものだろう、と。 「ゆみ~!なんか久々じゃない?!」 「おはよ花梨。花梨が休んでばっかりだからじゃん?」 花梨は高校時代からの友達で、もうずっとこのコンビニで働いている。 ほぼ金髪でくるくると綺麗に巻かれた髪にはいつも感心する。 「実は最近彼氏と超いい感じでさ、バイトなんかしてる場合じゃなくって!」 「彼氏って大悟でしょ?この前喧嘩してなかった?」 花梨と大悟は高校一年生の頃から付き合ってるから、もう4年目。いつも喧嘩しては仲直りして、たまに別れても翌日にはケロッとイチャついている。 「なんか喧嘩するたびに、もうこんなやつ捨ててやる~!って思うんだけど、結局好きなんだよね。ふふふ。」 幸せそうに笑う花梨を見て、私はそれならよかった、と笑顔で言った。 羨ましいとかじゃ無くて、憧れてるとかでも無くて、ただ、私にはそういう感情が欠けているんだろうなあ、と思った。
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