第1章

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もうすっかり陽が暮れて、帰宅ラッシュが過ぎ去った時間、やっとバイトを終えて私はまた着替えて外へ出た。 まだ7月中旬なのにこの暑さじゃ、これから先どうなるんだろう、なんて、毎年同じこと思ってる気がしたから考えるのをやめた。 信号を待つ間に何気なく見た携帯には、新着メッセージが15件。 『バイトお疲れ様』 『迎えに行くね』 『まだかな?』 『駅で時間つぶしてるよ』 全部同じような内容で、登録していないアドレスだったけど、誰からなのかはすぐにわかった。 気持ち悪くなって、私は早足で信号が点滅する横断歩道を渡った。 こんなことをしてくるのは、高校の同級生の松木しかいない。
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