第1章

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その日の放課後は天気が良く、爽やかな風が吹いていた。 俺は、気持ち良さげな空気に誘われるままに、ベランダに椅子をいくつか運び込み、その上に寝そべってしばらくぼーっとしていた。 すると、教室から、誰かのぼそぼそっとした話し声が聞こえてきた。 そのまま耳をすまし聞いていると、どうやら声の主はひとりで、手紙を読む練習をしている様だった。 「神田くん、こんにちは、いや、どうも、あー、良かったら今度一緒にでかけませんか、いや、お友達になりませんか、うー、だめだ…」
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