第1章

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だけど、嬉しかった。 俺のことをそんな風に見てくれていたのが、嬉しかった。 「桜木クンは、俺のことなら何でも知ってるんだね」 「ご、ごめん、気に障った、かな」 「いや、嬉しいよ。でもね、俺、そういうの、なんとなくしてたことだから、優しいって言われると、なんか騙してる気分になっちゃうな」 「神田くんのそういうところ、すごいと思う。無意識に、人の気持ち考えて、行動できるんだから、神田くんは、優しい人だよ」 桜木の発する言葉が、心地いい。 今まで、こんな風に自分を見てくれた人はいただろうか。
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