第2章

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桜木の言いたいことは、何となくわかる。 思い人に好きと言われ、それを簡単に信じるほど、桜木の気持ちが軽くないことも、十分承知していた。 客観的に見れば、好きと言われたから好きになったと思われても仕方ないが、俺は決して桜木の感情に流されたわけではない。 桜木という人間を知り、興味を持って、好きになった。 だからこそ、桜木の気持ちを尊重したかった。 「わかった。無理強いは、しない」 「でも、俺が今日桜木クンに伝えたことは、全部、俺の本当の気持ちだから。 俺は、桜木クンが好きだ。それだけ、胸にしまっておいてくれるかな」
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