第2章

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その足で玄関へ向かうと、下駄箱に真がもたれかかっていた。 「真」 「よ」 「まだ帰ってなかったのか」 「ん、何となく彰のこと待ってた。帰ろうぜ」 一人で感傷に浸りたい気分でもあったが、ひとりでもいたくなかった。 だから、下駄箱で真の姿を見たとき、どこかほっとした。 真はいつも通り何も聞かない。 他愛無い話をするでもなく、ただ並んで帰るだけ。 それだけでもありがたかった。
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