第2章

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「さっきさー」 「うん?」 「彰が来る前に、桜木見かけたんだけど」 真の口から桜木の名前が出て、思わず身体がピクリと反応してしまう。 「なんか様子おかしかったんだよね。顔が真っ赤でさ」 「へぇ」 顔が真っ赤、か。 桜木は、俺を意識したまま帰っていったのだろうか。 「下駄箱に頭ぶつけたりしてたから、思わず声かけたらさ、そのまますっ飛んでった」 「はは、桜木クンって、なんか小動物みたいだよな」 挙動不審な桜木の姿を想像し、顔が綻ぶ。 「ああ、なんか、可愛かった」
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