第2章

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それが、今日は随分と冷静さに事欠いたことをしてしまった。 思い返せば、桜木にいきなりキスしてしまったことを初めとして、彼のことになると、考えなしにそのときの感情で行動してしまっている自分がいることに気づく。 「くそ…調子、狂う」 そもそも、あの大人しい桜木が、大胆にも手紙を読む練習をしてまで、俺と仲良くなろうとしてくれたのは、とても勇気のいることだったと思う。 桜木は、俺が桜木のことを好きになる可能性を、全く考えなかったんだろうか。 そう思うと、自分だけ空回りしてるようで、寂しい気持ちになった。
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