第2章

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俺のことを好きだから、少しでも仲良くなろうと行動しようとした、それはわかる。 でも、仲良くなったら、先へ進みたくなるものじゃないのか。 桜木は、仲良くなれるだけで嬉しいと言っていたけど、 少しでも俺と関係を進めたいと思って、あの日の放課後、手紙を読んでいたのなら、友達以上の関係では、きっと、満足できないはずだ。 仮に、俺と仲良くなって、もし俺に恋人なんかができたりしたら、桜木はどうするつもりだったんだろう。 きっと、そうなったら、桜木は何でもないように取り繕って、側でそっと見守るつもりだったのだろう。 そうなったときの、桜木の心情を思うと、胸が苦しくなった。 わかりもしない桜木の想いを勝手に想像し、ひとり切なくなるのは馬鹿らしかったが、考えずにはいられなかった。
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