第2章

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携帯を開き、今日新しく追加されたばかりの桜木順太という名前を見つめる。 自分の携帯に桜木の連絡先が入っているだけで、何となく、胸が躍る。 「今日は、ありがとう…と」 桜木へのメールの文章を打ち込む。 どうしよう。 続きが、中々思いつかない。 言いたいことは山ほどあるが、どのような言葉にすればいいか、わからない。 文字を入力しては消し、入力しては消しを繰り返す。 次の休みに遊びに誘ったが、口約束だったため、一応再確認の意味を込めて、もう一度、桜木の予定を聞き直す。 メールを送るだけでこれほどまでに時間をかけたことがあっただろうか。 結局、メールを作成するのに、30分近くもかかってしまった。
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