第2章

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翌日の朝、桜木へ昨日のメールの返信を含めたおはようメールを送る。 今日また学校で会うのはわかっていたが、メールのやり取りを続けたかった。 桜木からメールが届く。 『おはよう。もし神田君が良かったら昨日話したDVD持っていこうか?』 昨日メールで話した桜木おすすめのDVDを貸してくれるらしい。 どうせなら一緒に見たいが、いきなり家に誘ったりなんかしたら、きっと桜木は困惑するだろう。 『ありがとう。よろしく頼みます』 よし。 桜木から提案してくれたお陰で、堂々と桜木と話す口実ができた。 俺は心の中でガッツポーズし、軽快に家を出る。 いつもは欝々としやすい朝も、桜木とのやり取りを思い出すだけで、随分と温かいものに感じる。 朝は、俺にとって、昔から嫌いな時間だった。
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