第2章

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ついこの前まで何も気に留めない相手だったのに、桜木のひとこと一言に俺の気分は大きく左右されてしまうんだから、恐ろしい。 桜木は、いつから俺の事を見てくれていたんだろう。 一年生の頃は、お互い別々のクラスだったから特に関わり合いは無かったはずだ。 まさか、桜木を好きになるなんて、一年前の俺には考えられなかった。 「はー…会いたいな」 今日教室で会ったばかりだというのに、文章だけのやり取りでは、物足りなく感じてしまう。 声、聞きたいな。 アドレス帳にある桜木の電話番号を眺め、大した用でもないのに電話をかけるのはさすがに迷惑か、と躊躇う。
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